8月25日(日)のプロトマニア・アート・レクチャーのご案内です。
第63回《〜これまで誰も教えてくれなかった〜『絵画鑑賞白熱講座』》
日本の洋画を築いた巨人 岸田劉生
この講座の今年の目標のひとつに、日本の洋画家をとりあげるというのがありました。実は、昨年までにも黒田清輝、青木繁、中村彝など何人かの我が国を代表する洋画家を取り上げる機会がありましたが、あくまでも番外編という形で、その画家の代表作1、2点を重点的に鑑賞するというものでした。
8月のこの講座では、《麗子像》でみなさんにも馴染みの深い、大正期日本洋画界の巨星、岸田劉生のトータルな鑑賞に挑みたいと思います。
おりしも、8月31日から東京ステーションギャラリーで《没後90年記念 岸田劉生展》が始まります。この展覧会は劉生のエポックメーキングな作品の選定と制作年代順の展示により、彼の波乱万丈の人生と作風の相関を明らかにする意図があるようです。
岸田劉生の最大の特長は、黒田清輝がもたらした印象派の亜流に端を発し、フランス近代美術の後を追い続けてきた日本洋画の大きな流れにひとり敢然と棹をさし、天賦の描写力を武器に、純粋に自らの感覚と思考により導き出した「細密描写による写実」という様式により日本人の油彩画を追求したその独自性にあります。
しかし、岸田劉生の生涯には大きな謎も残されています。それは彼の晩年です。晩年と言っても、劉生は38歳で亡くなっているので決して年老いての晩年ではありません。
大正12年(1923年)に起こった関東大震災で湘南鵠沼の家が半壊し、彼は京都に逃げ出します。この時、劉生は32歳でした。それからの2年数ヶ月の京都滞在時代、劉生は度を越した骨董収集と芸者遊びに耽り、大酒に溺れます。そして、大正13年(1925年)になって生活の立て直しをはかって鎌倉に移転しますが、その後もかつての劉生に戻ること無く、一発逆転を期して臨んだ大連行きからの帰路、立ち寄った徳山市で未だ若い38年の人生に幕をおろします。
この一見腰砕けになってしまったかのような京都時代以降の劉生の作品が、今度の展覧会ではどのように扱われるのかも大変興味深いですね。
劉生は旺盛な制作活動の一方、数多くの文章も残しています。次回のこの講座はでは劉生が残した「内なる美」、「卑近の美」、「でろり」などのキーワードを紐解きながら鑑賞を進めていきたいと思います。
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※ この講座は絵の知識を競うものではありません。絵を見る力が自然に身につく楽しい講座です。
※ いわゆる美術史の流れを知らなくても、その場で向き合った絵をどう感じたかどう見るか、そしてそれをどう自分の言葉にするかを「わいわいがやがや」 の寺子屋スタイルで学びます。
※ 通史的な講座ではありませんので、いつからでも、興味のある画家の講座の時だけでも、お気軽にご参加ください。***********************************************************************************
講師: 中尾陽一
日程 : 2019年 8月25日(日) 13:00 —15:30
参加費: 4000円
場所 : プロトマニア
[東京メトロ九段下駅 3b 出口(北の丸スクエア)より徒歩2分]
〒102-0073 東京都千代田区九段北1-12-5 市田ビル6F
予約・お問合せ : お名前と日中のご連絡先を添えてメールまたはお電話でお申込みください。
e-mail: yoyoa@mac.com
phone: 090-2469-4450(荒川)
※メールでお申し込みいただきましたら確認の返信メールを送らせていただきます。
※プロトマニアから返信メールが届かない場合は、大変恐れ入りますがお電話でお問合せください。
展覧会概要
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