*この展覧会は終了しました。ご来場いただきました皆様どうもありがとうございました!
3月20日[水]〜30日[土]
12:00~18:00 (最終日は17:00まで)
[会期中無休]
バラはボタニカルアートのなかでも最も美しく、すべての人々に愛される永遠の憧れです。今回は「バラのラファエロ」として有名なピエール=ジョゼフ・ルドゥーテのバラとベルギーやフランス、イギリスのアンティーク図譜にみる様々なバラのコレクションを展示販売します。
P=J・ルドゥーテは、1759年にベルギーで生まれました。画家を志してフランスに渡り、フランス革命前夜のパリではマリー・アントワネットの博物蒐集室付きの画家として重用され、革命後はナポレオン妃ジョゼフィーヌに仕えました。
「モダンローズの母」と呼ばれるほどバラ栽培に熱中したジョゼフーヌは、マルメゾンの庭園に世界中から貴重な品種のバラを集めさせます。そこに自由に出入りすることを許されたルドゥーテは制作に没頭、1814年のジョゼフィーヌの死という困難を乗り越え、1817年ついに169枚の銅版画からなる『バラ図譜』を完成させました。ルドゥーテ独特のスティップル・エングレーヴィング(点刻彫版)によるバラの植物画は、それまでの銅版画技法の限界を超えて、バラの花弁の一枚一枚までが正確無比かつ実にやわらかく表現されており、ボタニカルアートの金字塔として現在まで愛好され続けています。
展示ではボタニカルアートを芸術に高めた記念碑的作品とされるルドゥーテの『バラ図譜』からのバラの数々をご紹介いたします。200年経ってもなおみずみずしさを感じさせる本物のルドゥーテのバラをこの機会にぜひご高覧ください。また、ルドゥーテがバラ図譜を制作した時代は、マルメゾン庭園で史上初の人工交配が行われ、次々と新たな品種が生み出されていくバラ革命の始まりでもありました。ルドゥーテが描いたバラには、現在は見られなくなった品種や、その後のモダンローズの親となったオールドローズが多く含まれており、バラの花そのものの歴史の上でも非常に興味深い内容となっています。
花色や本数でも様々な意味を持つバラは、古来から愛と繁栄の象徴とされてきました。ギリシャ神話では愛と美の女神アフロディーテが海から誕生したときに、大地が彼女と同じほど美しいものとしてバラの花を作ったとされています。さらには、愛と喜びと美と純潔を象徴する花とされ、花嫁が結婚式にバラの花束をもつ風習にもつながったそうです。
いにしえの画家たちが丹精込めて描いたアンティーク・ボタニカルアートによるバラの芸術の精華をお楽しみいただけましたら幸いです。
展覧会概要
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