お知らせ

[終了]写真家ルイジ・ギッリによる「モランディのアトリエ」展

会期:2011年11月26日(土)〜12月21日(水)
open: 火~日12:00~18:00(月休)
*11月25日(金)17:00〜20:00 プレビューを行います。ぜひご来場ください。

*展示の作品はこちらでご覧になれます

20世紀イタリア美術の巨匠として敬愛される画家ジョルジョ・モランディ(1890-1964年)。静謐な静物画で名高いモランディは、めまぐるしく変遷する芸術潮流を超越し、独自の画業を追求した孤高の画家として知られます。同時代から現代に至るまで、美術界だけでなく多くのクリエーターに影響を与えてきました。

彼の作品の大半は、卓上の器物を繰り返し描いた静物画や、アトリエから見える風景でした。ごく普通の壜や水差しをモチーフにして描き出されるのは、緻密に構築された静寂な造形美の世界。モランディにとって、アトリエは自身の創造の世界そのものでした。
本展では、モランディと同じ北イタリア出身の写真家ルイジ・ギッリにより撮影された一連の写真作品〈モランディのアトリエ/ATELIER MORANDI〉を展示いたします。
ギッリは1989年11月から1990年夏にかけて、モランディ亡き後のアトリエを撮影しました。モランディが生涯制作し続けた故郷ボローニャの街のアトリエと、夏を過ごした郊外のグリッツィアーナの家。1964年にモランディが亡くなったのち、すべてがそのままに残された室内をギッリのカメラがとらえます。モランディの絵画でよく知られる、何の変哲もない、しかし圧倒的な存在感をまとう水差しや壜が、写真にもそのままに登場します。画家が残した鉛筆の筆跡や絵具の跡も、すべては静止したまま、それでいてモランディの絵画の制作過程そのものを目の前に垣間見せてくれるようです。ギッリの写真は、すでに主のいないアトリエで残されたオブジェが語る、存在と不在の関係性の考察となり、また絵画と写真の関係、さらには「イメージ」そのものの性質についての問いを投げかけます。
本シリーズには、須賀敦子全集(河出書房より刊行)のカバー写真に使われた作品も含まれ、ギッリの名を知らない人も見覚えのあるイメージに出会うかもしれません。ギッリのファインダーを通したアトリエの風景からは、北イタリアの透明な光と、画家が立ち去ったすぐ後をそっと垣間見るような、寄り添うような静かな空気感が伝わってきます。

■展示作品:
Luigi Ghirri, Atelier Morandi, 1989より

■作家プロフィール
ルイジ・ギッリ Luigi Ghirri(1943-1992年)
イタリア北部スカンディアーノに生まれる。1970年代よりコンセプチュアル・アーティストたちのドキュメント写真を撮影。1982年の国際写真見本市フォトキナ(ケルン)では20世紀の主要作家のひとりとして選ばれた。アトリエ・ジョルジョ・モランディシリーズの出版を企画中の1992年に自宅にて急逝。ギッリの作品は、今年(2011年)のヴェネツィア・ビエンナーレでも、総合ディレクター、ビーチェ・クリガーのキュレーションにおる「イルミネーション」をテーマにした展示〈Illuminazioni〉に出品されている。

展覧会概要

展覧会名写真家ルイジ・ギッリによる「モランディのアトリエ」展 Exhibition: ATELIER MORANDI by Luigi Ghirri
会期2011年11月26日(土)〜12月21日(水) 火~日12:00~18:00(月休)
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