9月29日(日)のプロトマニア・アート・レクチャーのご案内です。
第64回《〜これまで誰も教えてくれなかった〜『絵画鑑賞白熱講座』》
抽象絵画への道 モンドリアンとマレーヴィチ
先週の土曜日から東京ステーションギャラリーで《没後90年記念 岸田劉生展》が始まりました!初期から最晩年までの作品を過不足なく鑑賞できる、文字通りの回顧展です。通常軽視されがちな京都・鎌倉時代の《日本画》もたくさん出展されています。
また、劉生が率いた美術団体《草土社》の名の通り、土系の絵具のイメージの強い劉生が、最晩年の1929年に描いた赤と緑の対比も鮮やかな油彩画が3点見られるのも貴重です。劉生はこの年の12月に38歳の若さで亡くなってしまうのですが、もし彼がもっと長く生きていたら、カラリスト劉生という展開もあったのかなと思わせる美しい絵です。
さて、次回は劉生の写実主義から一転、《抽象絵画への道》第2弾としてモンドリアンとマレーヴィチを鑑賞します。
前々回ではカンディンスキーの作品の鑑賞とともに、形と色彩の独立=抽象画の誕生というプロセスを見てきました。
誕生にともなうカオス的な表現がカンディンスキーの特徴でもありましたが、次回のモンドリアンとマレーヴィチはそれぞれまったく違う方向性でありながら、ともに抽象画の極致、これ以上ない抽象の世界に到達したとも言える画家たちです。
モンドリアンは我々の視覚世界をすべて、水平線と垂直線による黒線のグリッドに赤青黄の3原色と白と黒を配置するというやり方に還元してみせました。彼の晩年の代表作《ブロードウェイ・ブギウギ》には抽象画でありながら、ニューヨークという街の活気と喧騒までもが表現されているかのようです。
マレーヴィチは立体主義、未来主義を推し進めた結果、白い地の上に黒い四角を描いただけの《黒い正方形》、それをさらに推し進めた《白い地の上の白い正方形》という極北の表現にいたります。まさしく、シュプレマティスム(絶対主義)ですね!しかし、ここまでくると、絵画が色や形の造形云々ではなく、異次元の世界をわれわれに伝えるシャーマンのような存在になっている感じもします。
次回の講座では、一見対極にあるような劉生の写実絵画とモンドリアンやマレーヴィッチの抽象画に共通する精神性にも注目して鑑賞をすすめたいと思います。
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※ この講座は絵の知識を競うものではありません。絵を見る力が自然に身につく楽しい講座です。
※ いわゆる美術史の流れを知らなくても、その場で向き合った絵をどう感じたかどう見るか、そしてそれをどう自分の言葉にするかを「わいわいがやがや」 の寺子屋スタイルで学びます。
※ 通史的な講座ではありませんので、いつからでも、興味のある画家の講座の時だけでも、お気軽にご参加ください。
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講師: 国際美術展プロデューサー 中尾陽一
日程 : 2019年 9月29(日) 13:00 —15:30
参加費: 4000円
場所 : プロトマニア
[東京メトロ九段下駅 3b 出口(北の丸スクエア)より徒歩2分]
〒102-0073 東京都千代田区九段北1-12-5 市田ビル6F
予約・お問合せ : お名前と日中のご連絡先を添えてメールまたはお電話でお申込みください。
e-mail: yoyoa@mac.com
phone: 090-2469-4450(荒川)
※メールでお申し込みいただきましたら確認の返信メールを送らせていただきます。
※プロトマニアから返信メールが届かない場合は、大変恐れ入りますがお電話でお問合せください。
展覧会概要
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